NOBのArduino日記!

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趣味は車・バイク・自転車・ラジコン・電子工作です。

低電圧ショットキーダイオードの使い方(SBM1045VSS)

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 非力なソーラーパネルと組み合わせた充電回路に便利な低電圧ショットキーダイオードを使ってみました
 これでお手軽にソーラー充電照明が作れます!
 ショットキーバリアダイオード(英:Schottky barrier diode:SBD)(※以下ショットキーダイオード)構造をTINKERCADを使って模式図にしたものを図1に示します。
 ショットキーダイオードとは、金属と半導体とのショットキー接合※1によって生じるショットキー障壁※2を利用したダイオードです。
 pn接合※3ダイオードに比べると順方向の電圧降下が低く、スイッチング速度が速いという特長を持ちます。
 しかし、逆方向漏れ電流が大きく、逆方向耐電圧が低いという欠点もあります。
 このダイオードはスイッチング特性が優れているため、トランジスタによる論理回路の高速化、スイッチング電源などの電源回路でよく使われます。
 
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図1:ショットキーダイオード断面概略図
 
※以下補足です

※1:ショットキー接合(ショットキーせつごう、英: Schottky barrier junction)
 金属と半導体の間で整流作用を示す接合の事。名称は発見者のヴァルター・ショットキーによる。同様に整流作用を示すPN接合※3と比較すると、PN接合※3では電流の輸送が主に少数キャリアで行われるのに対し、ショットキー接合では、多数キャリアで行われるため、高速動作に優れるという利点がある。PN接合※3に対してMS接合(金属と半導体の接合、英:Metal Semiconductor junction)と呼ぶこともある。
 
※2:ショットキー障壁(ショットキーしょうへき、英:Schottky barrier)
半導体と金属を接合させたとき、半導体部分に、金属の仕事関数と半導体の持つ電子親和力(フェルミエネルギー※5)の差が、障壁として現れる場合がある。これをショットキー障壁と呼び整流特性を示す。しかし仕事関数の関係が逆になった場合はオーミック接合※4と言い整流特性は示されません
 
※3:pn接合(ピーエヌせつごう、英:PN junction)
半導体中でp型の領域とn型の領域が接している部分を言う。整流性、エレクトロルミネセンス、光起電力効果などの現象を示すほか、接合部には電子や正孔の不足する空乏層が発生する。これらの性質がダイオードトランジスタを始めとする各種の半導体素子で様々な形で応用されている。
 
※4:オーミック接合
 MS接合(金属と半導体の接合)で、金属のフェルミ準位※5がn型半導体フェルミ準位※5よりも高くなった場合、ショットキー接合※1からオーミック接合に変わる。オーミック接合になると金属の電子がn型半導体に移り接合付近で入るところがなく自由に飛び回る為接合部は低い抵抗となり、n型半導体の抵抗が一番高くオームの法則に従う事となる。

※5:フェルミ順位
 フェルミ準位(フェルミじゅんい、Fermi level )とはフェルミディラック分布のパラメータあるいはフェルミ粒子系の化学ポテンシャルの事であり、与えられた温度条件下において、フェルミ粒子(電子)の存在確率が1/2になるエネルギーの値の事。また、絶対零度でのフェルミ準位の事をフェルミエネルギーと言う。


1.1 SBM1045VSSとは
 ショットキーダイオード(SBM1045VSS)の特徴として、順方向電圧降下(VF)が低く、その為低電力損失・低発熱・高効率運転が可能です。
 図2の通り極性としてはグレーのカラーバンドが有る方がカソードである事を示します。※重量:1.142g
 
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図2:ショットキーダイオードSBM1045VSS」の寸法及び極性

1.2 仕様
 ショットキーダイオード(SBM1045VSS)の仕様は表1の通りです。
表1:ショットキーダイオード(SBM1045VSS)の仕様
項目 内容
 最大繰返し逆電圧(VRPM)  45V
 最大実効電圧(VRMS)  32V
 最大直流阻止電圧(VR)  45V
 最大整流電流(IF)  10A
 最大突入電流(IFSM)  200A(8.3ms半波正弦波)
 動作・保存温度(TJ・TSTG)  -55~150℃
 25℃時の順方向電流(IF=3A)  順方向電圧(VF=0.34V)
 25℃時の順方向電流(IF=5A)  順方向電圧(VF=0.37V)
 25℃時の順方向電流(IF=10A)  順方向電圧(VF=0.44~47V)
SBM1045VSS」のSDSより引用させて頂きました

2. 回路

 ソーラーパネル(SY-M0.5W)で発生した電力をショットキーダイオード(SBM1045VSS)で整流し電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)充電します。
 また電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)充電した電力を使って、定電流ダイオード(E-153)を介したLED(OS5OAA5111A)を点灯してみました!
 
2.1 接続
 ショットキーダイオードを使った充電回路接続図をFritzingを使って図3の様に書いてみました。 また図3の通り実際に繋げた状態を図4に示します。

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図3:ブレッドボード回路図

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図4:実際に作ったもの

2.2 実験!
 図4の回路でソーラーパネルに光を当て2V位まで充電します。
 その後LEDを接続すると図5の通りLEDが光りました
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図5:充電とLED点灯!

3. まとめ

 ある程度電気二重層コンデンサーに充電された状態で、ソーラーパネルに光が当たらなくなると、ショットキーダイオードに逆電圧が掛かり、見る見る電圧が下がってしまいました!
 ショットキーダイオードの逆方向漏れ電流は案外侮れません
 しかし充電自体は順方向電圧降下が0.4V程度と小さいので超高効率です!
 使用環境によって充電電力の保存性能が高い「pn接合ダイオード」か、充電効率の高い「ショットキー接合ダイオード」かを使い分けた方が良さそうです。
 
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