NOBのArduino日記!

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シリコンエピタキシャルプレーナ型ダイオードの使い方(1S2076A)

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シリコンエピタキシャルプレーナ型ダイオード(1S2076A)
 
 順方向電流(IF)が1A以下の小信号用ダイオードである「シリコンエピタキシャルダイオード(1S2076A)」を使って、ソーラーパネルと組み合わせた充電回路を作ってみました

1.シリコンエピタキシャルプレーナ型ダイオードとは

 シリコン・エピタキシャル・プレーナ型ダイオード(英:silicon epitaxial planar diode)とは、エピタキシャル技術※1によって結晶を作製したダイオードの事です。
 この技術により成長させた結晶層の表面には,通常,ウエハ作製時に生じる機械的損傷がない特徴が有ります。
 またpn接合※2界面を二酸化シリコン膜により保護できるため,山形状(メサ型※3)にする必要はなく,その形状は平板状 (プレーナ型※4) です。
順方向電圧(VF)が低い事から、低電圧整流に適しており、また逆回復時間(trr)が短いので、高周波整流に適しています。
 
※以下補足です

※1:エピタキシャル技術(エピタキシャルぎじゅつ、英:epitaxial technique)
単結晶基板上にその結晶と同一方位をもつ単結晶を成長させる技術のこと。成長層が基板結晶と同一材料の場合をホモエピタキシャル成長 homo-epitaxial growth ,異種材料の場合をヘテロエピタキシャル成長 hetero-epitaxial growthと呼び区別している。
 
※2:pn接合(ピーエヌせつごう、英:PN junction)
半導体中でp型の領域とn型の領域が接している部分を言う。整流性、エレクトロルミネセンス、光起電力効果などの現象を示すほか、接合部には電子や正孔の不足する空乏層が発生する。これらの性質がダイオードトランジスタを始めとする各種の半導体素子で様々な形で応用されている。
 
※2:ショットキー障壁(ショットキーしょうへき、英:Schottky barrier)
半導体と金属を接合させたとき、半導体部分に、金属の仕事関数と半導体の持つ電子親和力(フェルミエネルギー※5)の差が、障壁として現れる場合がある。これをショットキー障壁と呼び整流特性を示す。しかし仕事関数の関係が逆になった場合はオーミック接合※4と言い整流特性は示されません
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※3:メサ型
接合部が台形状になるもので、この構造では逆耐圧(VR)を大きくつくりやすいため整流ダイオードに多く使用されます。耐圧が大きくしやすい反面、PN接合※2面が露出する構造のため逆電流(リーク電流)がプレナー型※4に比べ大きくなる傾向があります。
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※4:プレナー型
接合部が平坦な (planar) 形状になるもの。
ROHM様サイトより引用させて頂きました。


図1:メサ型とプレナー型


1.1 1S2076A
 シリコンエピタキシャルプレーナ型ダイオード(1S2076A)の特徴として、低端子間容量(C≦3.0pF)、逆回復時間が小さい(trr≦8.0ns)、ガラス封止外形であるため高信頼度です。
 図2の通り極性としては青のカラーバンドが有る方がカソードである事を示します。※重量:0.13g
 
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図2:シリコンエピタキシャルプレーナ型ダイオード(1S2076A)の寸法及び極性


1.2 仕様
 シリコンエピタキシャルプレーナ型ダイオード(1S2076A)仕様は図3,4及び表1の通りです。

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       図3:順方向特性              図4:逆方向特性
 
表1:シリコンエピタキシャルプレーナ型ダイオード(1S2076A)の仕様
項目 内容
 せん頭逆電圧(VRM)  70V
 逆電圧(VR)  60V
 平均整流電流(IO)  150mA
 せん頭順電流(IFM)  450mA
 サージ順電流(IFSM)  1A
 許容損失(P)  250mW
 接合部温度(Tj)  175℃
 保存温度(TSTG)  -65~175℃
 順電圧(VF)  0.64~0.8V(IF=10mA)
 逆電流(IR)  100nA(VR=30V)
 端子間容量(C)  3.0pF(1V,1MHz)
 逆回復時間(trr)  8ns(10mA)
1S2076A」のSDSより引用させて頂きました

2. 回路

ソーラーパネル(SY-M0.5W)で発生した電力をショットキーダイオード(SBM1045VSS)で整流し電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)充電します。
 また電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)充電した電力を使って、定電流ダイオード(E-153)を介したLED(OS5OAA5111A)を点灯してみました!
 
2.1 接続
 ソーラーパネルを使った充電回路図をFritzingを使って図3の様に書いてみました。 また図5の通り実際に繋げた状態を図4に示します。
 
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図5:ブレッドボード回路図

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図6:実際に作ったもの

2.2 実験!
 図6の回路でソーラーパネルに光を当て2V位まで充電します。
 その後LEDを接続すると図7の通りLEDが光りました
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図7:充電とLED点灯!

3. まとめ

 前回の記事のショットキーダイオードでは逆方向漏れ電流が結構有ったので折角充電した電圧が見る見る低下していましたが、このシリコンエピタキシャルプレーナ型ダイオードの漏れ電流は図4より6nA未満(常温,5V)とほぼ気にならないレベルまで絶縁してくれ、充電した電力を長時間保存しておけます
 
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