電気二重層コンデンサー「HP-2R7-J106UY」
前から興味の有った電気二重層コンデンサーを使ってみました!
LED1個位なら十分電源として使えます!
1. 電気二重層コンデンサーとは
電気二重層コンデンサー(でんきにじゅうそうコンデンサー、Electric double-layer capacitor、EDLC)は、電気二重層という物理現象を利用することで蓄電量が著しく高められたコンデンサーです。
1.1 電気二重層コンデンサーの構造
項目 | 内容 |
容量(F) | 10 |
容量誤差(%) | -20~+80 |
耐圧(V) | 2.7 |
最大等価直列抵抗(mΩ) | 25(@1kHz) |
動作温度範囲(℃) | -40~70℃ |
直径(mm) | 13 |
高さ(mm) | 34 |
ピン間隔(mm) | 5 |
図1:電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)の寸法及び内部構造
1.2 電気二重層とは
電気二重層とは、活性炭粉と電解液が接する界面に形成されます。
このイオンと電子(空孔)が配列した状態を電気二重層と呼びます。
2. 実験回路
2.1 接続
図2:電気二重層コンデンサーとLEDの接続図
図3:実際に繋げた状態
※既に充電した後なのでLEDが光ってます
2.2 充電電圧
実際は余裕を見て10Vで充電しましたので、7.9Vの電圧降下(79%)するまでLEDを点灯し続ける事が出来ます。
2.3 充電電流
電気二重層コンデンサーは内部抵抗が低く(25mΩ)、また化学反応を伴わないので短時間で充電する事が出来ます。
出来れば電源直付けで瞬間的に充電したいのですが、それをやると充電中は殆ど短絡に近い電流が流れるので電源が壊れるか、通電経路自体にも抵抗が有る事から何処かの配線が焼き切れそうです
取り敢えず電源(10V,10A)は壊したくないので充電電流を10A程度に制限する抵抗として1Ωのセメント抵抗を付けました。
※今回使用した3W,1Ωのセメント抵抗には充電開始直後、瞬間的に100Wの負荷が掛かります。今回の実験では一瞬ですが、長時間この状態が続くと発火・火災になる恐れが有り大変危険です。安全に充電される場合はメタルクラッド抵抗(10Ω,10W)等の容量の大きい抵抗を使用される事をお勧めします。
3. 実験!
図3で作った回路に10Vを接続して充電した様子が図4です。
充電開始3秒位で10V(フル充電)に達しました!
図4:充電!
3.1 充電速度
Ni-HMバッテリーは最大1C充電(容量に関係無く1時間掛けて充電)が推奨されており、Li-Feバッテリーは最大2C充電(0.5時間掛けて充電)が推奨されています。
今回、10V電源の最大電流10Aに合わせて1Ω抵抗を使用し充電しましたが、もう少し高い3~10Ω位の抵抗で充電しても良かったのではないかと思いました。
理想的には定電流電源で500C充電ぐらいが良さそうですが・・・
4. まとめ
電気二重層コンデンサーの出力電圧は、容量に比例して低下して行くと言う所が使い難いのですが、その辺は電源回路設計でがんばればなんとかなりそうです。
体積当りの電力量が現状の100倍程度に増えてくれれば、出掛ける前に携帯電話を5秒で充電!なんて使い方もあり得るのでは無いでしょうか!
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