NOBのArduino日記!

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趣味は車・バイク・自転車・ラジコン・電子工作です。

オペアンプを使った絶対値回路!

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オペアンプを使った絶対値回路
 
 クランプ型交流センサーを使って、コードに交流が流れているかを5VのHigh・Low信号で感知したいです。
 しかしクランプ型交流センサーから出力される電圧がmV単位と微弱でダイオードを使えず、しかも交流でマイナス電圧が有るのでなかなか厄介です
 取り敢えずマイナス電圧をどうにかしたいので絶対値回路についてシミュレートしてみました!

1.絶対値回路とは

 絶対値(ぜったいち、英語: absolute value)とは、数の「大きさ」の概念を与える規準の一つで、その数が 0 からどれだけ離れているかを知ることができます。
 図1の様なマイナスの電圧を含む正弦波(Sin波)が絶対値回路に入力すると、図2の様にマイナス部分が全てプラスの電圧に変換されて出力されます。
 また絶対値回路とは、電気回路における全波整流回路とほぼ同じ意味で、これを簡易的にした半波整流と言う回路も有ります。
※X:経過時間、Y:電圧、ω:周波数、T:周期

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図1:正弦波「Y=X Sin ωT」のグラフ
 
 
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図2:全波整流「Y=|X Sin ωT|」のグラフ


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図3:半波整流「Y=X Sin ωT(0≦X<T/2)、Y=0(T/2≦X<T)」のグラフ


 もしクランプ型交流センサーからの出力電圧が整流用ダイオードのVf(順方向電圧)を超えていれば下記全波整流回路や半波整流回路が使えるのでお手軽です。
U_RD様のサイトより引用させて頂きました
1.1 全波整流
・CTを利用した電源(+5V単電源/20mA)
・CTL-12-S36-4で、I0=10A~100Aの例
・各部の電流とZDの発熱(PZ)検証
・E0=5VDCを得るには、e0≈(E0/0.9)+1V≈6.5VACが必要で、出力特性図の許容範囲内に入っていること。
 
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図4:全波整流回路+平滑出力段

1.2 半波整流
・CT出力で出力用トランジスタ・ベースを直接ドライブする。
・RBは、50A以上の大電流が流れる時以外は、必要ありません。
・Q1は、HFE500以上の高感度品を使用
・CTは、動作点での開放電圧が、2.5V以上の出力が得られるもの(例:1A/CTL-6-P-H)
・動作感度を上げるには、CTに貫通線を複数回巻く。
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図5:半波整流回路+平滑出力段

2. 実験!

 実際に図4,5回路でクランプ型交流センサーを繋げてみましたが出力電圧が低すぎてダメでした
 困った時のオペアンプ頼みという事で以下の回路で実験してみました!
 
2.1 オペアンプを使った絶対値回路①
 図6はオペアンプを使った絶対値回路の代表的な回路です。
 iCircuitをつかってシミュレートしてみました
 -0.5~+0.5Vの正弦波ですがマイナス電圧が綺麗にプラス電圧に変換されました。
 ※アンプ電源:±5V、入力信号:±1V,60Hz
アンプ:アナログ・デバイセズ「AD8277
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図6:一般的なオペアンプを使った絶対値回路
 
2.2 差電圧アンプを使った絶対値回路②-1
 アナログ・ダイアログさんのWEBサイトに図6の一般的な絶対値回路の欠点(コスト、クロスオーバー歪み、ゲイン誤差、ノイズ等)を改善したとして紹介されている回路について図7の通りiCircuitをつかってシミュレートしてみました
 この回路は1個のデュアル・チャンネル差電圧アンプと、正極性の単電源 だけで実現できる絶対値回路との事です!便利!
※アナログ・ダイアログさんのWEBサイトを参考にさせて頂きました。
 ※アンプ電源:+5V、入力信号:±1V,60Hz
アンプ:アナログ・デバイセズ「AD8277
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図7:アナログ・ダイアログさんご紹介の絶対値回路!

2.3 差電圧アンプを使った絶対値回路②-2
 図7の回路では恐らく抵抗のバラツキを減らす為と思われる抵抗二本並列箇所が3ヶ所見られます。
 そこまで厳密な出力でなくても良い場合用に抵抗の数を減らして図8の通りiCircuitをつかってシミュレートしてみました
 ※アンプ電源:+5V、入力信号:±1V,60Hz
アンプ:アナログ・デバイセズ「AD8277
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図8:簡略化アナログ・ダイアログさんご紹介の絶対値回路!

2.4 差電圧アンプを使った絶対値回路②-3
 図8の10kΩの抵抗は、入力電圧が0Vに近い微弱な時に効果が出るプルダウン抵抗です。
 そこまで低い入力電圧で無い時用に、図8の回路からプルダウン抵抗を省略した図9回路でiCircuitをつかってシミュレートしてみました
 ※アンプ電源:+5V、入力信号:±1V,60Hz
アンプ:アナログ・デバイセズ「AD8277
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図9:さらに簡略化アナログ・ダイアログさんご紹介の絶対値回路!

3. まとめ

 図9の回路に図5CRローパスフィルターの様な平滑出力回路を足せば、クランプ型交流センサーから5VのHigh・Low信号が出力出来そうです!
 
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