NOBのArduino日記!

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趣味は車・バイク・自転車・ラジコン・電子工作です。

pn接合ダイオードの使い方(1N4004G)

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pn接合ダイオード(1N4004G)
 
 定番の一般整流用のpn接合ダイオード使ってみました
 安心の高い耐電圧です!

1.pn接合ダイオードとは

 pn接合※1ダイオードは、n型半導体※2とp型半導体※3が接合された構造をしています。
pn接合※1部ではお互いの電子と正孔が打ち消し合い、これら多数キャリアの不足した空乏層が形成されます。この空乏層内は、n型※2側は正に帯電し、p型※3側は負に帯電します。
 このため内部に電界が発生し空乏層の両端では電位差が生じます。しかしそれと釣り合うように内部でキャリアが再結合しようとする為、両端の電圧は「0」になります。
 また、順方向電圧降下(VF)以上の順方向バイアス※4を掛けると電流が流れます。反対に最大直流阻止電圧(VR)に満たない逆方向バイアス※5を掛けても電流は流れません。 この性質を使う事で電圧が±に変動する交流電源から+の電圧だけを取り出し(整流し)ローパスフィルターを通すことで直流電源とする事が出来ます。
 参考にpn接合※1ダイオードの構造TINKERCADを使って模式図にしたものを図1に示します。
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図1:pn接合ダイオード断面概略図
※極性とpn型半導体の覚え方:「pはプラス」が覚え易いです
 
※以下補足です(wikipediaより引用させて頂きました)

※1:pn接合(ピーエヌせつごう、英:PN junction)
半導体中でp型の領域とn型の領域が接している部分を言う。整流性、エレクトロルミネセンス、光起電力効果などの現象を示すほか、接合部には電子や正孔の不足する空乏層が発生する。これらの性質がダイオードトランジスタを始めとする各種の半導体素子で様々な形で応用されている。
 
※2:n型半導体(エヌがたはんどうたい、英: negative semiconductor)
電荷を運ぶキャリアとして自由電子が使われる半導体である。負の電荷を持つ自由電子がキャリアとして移動することで電流が生じる。つまり、多数キャリアが電子となる半導体である。 例えば、シリコンなど4価元素の真性半導体に、微量の5価元素(リン、ヒ素など)を不純物として添加することでつくられる。
 
※3:p型半導体(ピーがたはんどうたい、英: positive semiconductor
電荷を運ぶキャリアとして正孔(ホール)が使われる半導体である。正の電荷を持つ正孔が移動することで電流が生じる。つまり、正孔が多数キャリアとなる半導体である。 例えばシリコンなど4価元素の真性半導体に、微量の3価元素(ホウ素、アルミニウムなど)を添加することでつくられる。
 
※4:順方向バイアス()
ダイオードのアノード側に正電圧、カソード側に負電圧を印加することを順バイアスをかけると言う。これはn型半導体に電子、p型半導体に正孔を注入することになる。これら多数キャリアが過剰となるために空乏層は縮小・消滅し、キャリアは接合部付近で次々に結びついて消滅(再結合)する。全体でみると、これは電子がカソードからアノード側に流れる(=電流がアノードからカソード側に流れる)ことになる。この領域では、電流はバイアス電圧の増加に伴って急激に増加する。また電子と正孔の再結合に伴い、これらの持っていたエネルギーが熱(や光)として放出される。また、順方向に電流を流すのに必要な電圧を順方向電圧降下と呼ぶ。

※5:逆方向バイアス()
アノード側に負電圧を印加することを逆バイアスをかけると言う。この場合、n型領域に正孔、p型領域に電子を注入することになるので、それぞれの領域において多数キャリアが不足する。すると接合部付近の空乏層がさらに大きくなり、内部の電界も強くなるため、拡散電位が大きくなる。この拡散電位が外部から印加された電圧を打ち消すように働くため、逆方向には電流が流れにくくなる。より詳しくは、pn接合の項を参照のこと。
実際の素子では、逆バイアス状態でもごくわずかに逆方向電流(漏れ電流、ドリフト電流)が流れる。さらに逆方向バイアスを増してゆくと、ツェナー降伏やなだれ降伏を起こして急激に電流が流れるようになる。この降伏現象が始まる電圧を(逆方向)降伏電圧または(逆方向)ブレークダウン電圧と言い、降伏によって急激に逆方向電流が増加している領域を降伏領域(ブレークダウン領域)と言う。ブレークダウン領域では電流の変化に比して電圧の変化が小さくなる。この領域で積極的に動作させることで定電圧源として利用するのがツェナーダイオードである。


1.1 1N4004Gとは
 pn接合ダイオード(1N4004G)の特徴として、逆方向耐電圧(VR)280Vと高く、安価で入手性が良いです!
 欠点としては順方向電圧降下が1V程度と大きく、整流出来る電流は1A程度と少ないです。
 高電圧(数十~数百ボルト)の整流用に使用されます。
 図2の通り極性としてはグレーのカラーバンドが有る方がカソードである事を示します。※重量:0.4g
 
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図2:整流用ダイオード1N4004G」の寸法及び極性

1.2 仕様
 pn接合ダイオード(1N4004G)の仕様は表1の通りです。
表1:pn接合ダイオード(1N4004G)の仕様
項目 内容
 最大繰返し逆電圧(VRRM)  400V
 最大実効電圧(VRMS)  280V
 最大直流阻止電圧(VR)  280V
 平均整流電流(IO)  1A
 最大突入電流(IFSM)  300A
 動作・保存温度(TJ・TSTG)  -65~175℃
 順方向電圧(VFM)  1.0V
 最大逆電流(IRM)  5μA(TA=25℃)~50μA(TA=125℃)
1N4004G」のSDSより引用させて頂きました

2. 回路

 直列接続した2枚のソーラーパネル(SY-M0.5W)で発生した電流をpn接合ダイオード(1N4004G)で整流し電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)充電します。
※もしこの実験をされる方は、「3.まとめ」をご確認下さい。
 また電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)充電した電力を使って、定電流ダイオード(E-153)を介したLED(OS5OAA5111A)を点灯してみました!
 
2.1 接続
 pn接合ダイオード(図3中央の長い横棒、短い方が定電流ダイオード)を使った充電回路接続図をFritzingを使って図3の様に書いてみました。 また図3の通り実際に繋げた状態を図4に示します。

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図3:ブレッドボード回路図

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図4:実際に作ったもの

2.2 実験!
 図4の回路でソーラーパネルに光を当て2V位まで充電します。
 すると図5の通りLEDが光りました
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図5:充電とLED点灯!

3. まとめ

 ソーラーパネル(SY-M0.5W)の最大出力電圧は2.3Vで、pn接合ダイオードを通過すると順方向電圧1Vによって充電電圧は1.3Vに低下してしまいます
 電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)は2.7Vまで充電出来るのですが、このままでは半分も充電出来ません。
 また今回使用したLED(OS5OAA5111A)の順方向電圧(VF)は2.1Vなので、1.3V電源では光りません!
 そこでソーラーパネル(SY-M0.5W)を2枚直列に接続し、出力電圧を最大4.6V迄高めLED(OS5OAA5111A)が光る様にしました

 実験の注意事項として出力電圧4.6Vからpn接合ダイオード(1N4004G)の順方向電圧降下1Vを引くと電源電圧3.6Vと、電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)の耐圧2.7V超えています
 図5実験は電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)の端子間電圧を見ながら2.4V位で止めましたが、忘れてそのまま充電すると電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)が破損します。
 実験される場合は電気二重層コンデンサー(HP-2R7-J106UY)直列に2つ繋ぎ耐電圧を倍の5.4Vにすると安全です。
 
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