定電流ダイオードの使い方(E-153)
LEDを光らせる時の電源電圧が安定しない場合に便利な定電流ダイオードを使ってみました
ラジコンのバッテリー電圧は走行中かなり変動しており、LEDの明るさを保つ為にも保護する為にも便利です!
1.定電流ダイオードとは
LEDの電流制限抵抗の代わりに使用すれば電圧の変化に影響されず明るさを一定に保つ事ができます。
1.1 E-153とは
実際は完全に一定電流では無く図1の様に電圧によっては電流値が変動します。電流の規格値も抵抗器の抵抗値のようには正確ではありません。
端子間電圧10V付近が最も変化が少なくなりますが、この時の個体差は表1の通り15±3mAとなかなか広めで実際に1本測ったら12mAと下限ギリでした
図1:定電流ダイオード種類別 電圧と電流の関係
1.2 仕様
E-153の仕様は表1の通りです。
項目 | 内容 |
ピンチオフ電流 | 15±3mA (10V) |
最高使用電圧 | 25V |
捺印表示 | 15 |
定格電力 | 300mW |
定格電圧 | 50V |
逆方向許容電流 | 50mA |
接合温度 | 150℃ |
動作温度範囲 | -30~+150℃ |
1.3 端子図
E-153の寸法及び端子図は図3に示す通りです。
2. 回路
図4:ブレッドボード配線図
3. 実験!
図4の回路で電流制限抵抗別・電圧別にLEDに流れる電流がどう変わるか実験してみました!
3.1 電流制限抵抗別の電流
電圧を3.3Vに固定して図5左から100Ω、1kΩ、E-153の順に電流制限抵抗を切り替えた際に流れる電流を測定してみました。
測定した結果は表2の通りです。図1で薄々気づいていましたが3.3V時にE-153では定格電流の半分しか流れません100Ωと1kΩはほぼ計算通りの電流が流れました。
図5:電流制限抵抗別の流れる電流(3.3V)
電流制限抵抗 | 電流 | 補足(抵抗) |
100Ω | 14.27mA | (3.3V-1.9)/0.01427A=98.1Ω |
1kΩ | 1.65mA | (3.3V-1.9)/0.00165A=848.5Ω |
E-153 | 6.64mA | 参考:(3.3V-1.9)/0.00664A=210.8Ω相当 |
3.2 電圧別の電流
E-153とLED(順電圧1.9V)を直列に繋いで、電圧を3.3→5→7→9→12Vと上げて行った際に流れる電流を図6の通り測定して見ました。
測定結果は表3,図7の通りです。
9Vで最大電流12.28mAが流れました。E-153のピンチオフ電流の規格が15±3mA(10V)ですので確かに規格内ではありますが、想定よりもLEDは控え目に光りました
図6:3.3Vは超控え目に光ります!
電圧(V) | 電流(mA) |
3.3 | 6.64 |
5 | 10.48 |
7 | 12.16 |
9 | 12.28 |
12 | 11.85 |
図7:表3よりE-153電圧別電流の関係
4. まとめ
定電流ダイオードE-153が安定して15±3mAを出力出来る電圧は7~10V位でした!
ラジコンのバッテリー電圧は7.2V位なので、多少電圧が変動してもE-153を使えば安定したLEDの明るさが得られそうです!
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