N-ch MOSFET(2N7000)
Arduino UNO等のデジタル出力が常時出力出来る電流は20mA程度と少ないです。
LED(15mA程度)を光らせるくらいなら出来ますが、それ以上の電流や電圧を必要とする動力源をコントロールするには力が足りません。
そこで登場するのがトランジスタとMOSFETです。
図2:雰囲気温度別 ゲート電圧とドレイン電流の関係
今回は200mA迄流せるMOSFET(2N7000)を使ってLEDを光らせてみました
1.MOSFETとは?
トランジスタは電流を増幅する作用が有りますが、MOSFET(読み:モス・エフイーティー、英訳:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor、日本訳:電界効果トランジスタ)は電圧によって流れる電流を制御出来ます。
1.1 2N7000の外観及び仕様
また「2N7000」の外観を図1に、仕様を表1に、特性を図2~4に示します。
図1:N-ch エンハンスメントタイプ MOSFET(2N7000)
※S:ソース、G:ゲート、D:ドレイン
項目 | 内容 |
最大ドレイン・ソース間電圧(VDSS) | 60V |
最大ゲート・ソース間電圧(VGSS) | ±20V |
オン抵抗(RDS(ON)) | 標準1.8Ω 最大5.1Ω(@VGS=4.5V) |
最大ドレイン電流(ID) | 200mA |
最大ドレイン電力(PD) | 400mW |
入力容量(Ciss) | 標準20pF 最大50pF |
出力容量(Coss) | 標準11pF 最大25pF |
帰還容量(Crss) | 標準4pF 最大5pF |
ターンオン時間(ton) | 10ns |
ターンオフ時間(toff) | 10ns |
形状 | TO-92 |
図3:ゲート電圧別 電源電圧とドレイン電流の関係
図4:ゲート電圧別 ドレイン電流とオン抵抗の関係
※2N7000のSDSより引用
1.2 N-ch型とP-ch型
※図5中の電流制限抵抗の算出方法
Arduino UNO出力電圧(実測値5.095V)÷Arduino UNO出力最大電流(0.02A)=電流制限抵抗(254.75Ωですが余裕を見て若干高めの入手可能な330Ω「反応早い」~1kΩ「反応遅い」の間で選択します。)
図5:Nch型MOSFETの接続方法
2. 実験!
実験は、「Arduino UNOの13番ピン→1kΩ抵抗→MOSFETのゲートの順に接続→13番ピンをHigh→MOSFETのドレイン・ソース間抵抗が減少→100Ωの抵抗によって制限された電流がLEDに流れ点灯!」 と言った流れです。
※今回ゲートに接続するプルダウン・プルアップ抵抗を省略しましたが
基本的に動作安定化の為には有った方が良いです
2.1 回路
2.2 プログラム
図8プログラムを図7のArduino UNOに書き込み実行した結果が図9です。
LEDが1秒周期で点滅しました!
void setup() { //一回だけ実行する pinMode(13, OUTPUT); //LEDを接続した13番ピンを出力用に設定する } void loop() { //{}内を無限ループで実行する digitalWrite(13, HIGH); //LEDが接続された13番ピンをHIGH(5V)にする delay(1000); //1秒LEDを点灯した状態で止める digitalWrite(13, LOW); //LEDが接続された13番ピンをLOW(0V)にする delay(1000); //1秒LEDを消灯した状態で止める }
図8:プログラム例
図9:「2N7000」でLチカ
2.3 2N7000のON・OFF抵抗
詳細は図4のグラフの通りですが、試しに「2N7000」のゲートに0Vと5Vを加えた時のドレイン・ソース間抵抗を測定してみました!
実験結果は図10の通り、0V時の抵抗はMΩを超える抵抗で、5V時の抵抗は1.9Ωでした。
図10:「2N7000」のON・OFF抵抗
3. まとめ
今回使用した2N7000が流せる電流は200mA迄とそこそこ流せてしかもお安いので、今考えている「プランター自動水やり機」に使おうかと思います。
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