PNPトランジスタ(2SA1015)
Arduino UNOが常時出力出来る電流は20mA程度と少ないです。LED(15mA程度)を光らせるくらいなら出来ますが、それ以上の電流を必要とする電子部品を動かすには力が足りません。そこで登場するのがトランジスタです。
今回は電子工作で良く使われるNPNトランジスタ2SC1815のコンプリメンタリ(complimentary、相互補完・互いに逆の性質を持った1対のセット)であるPNPトランジスタ2SA1015を使ってLEDを光らせてみました。
1.トランジスタとは?
トランジスタは電流を増幅する部品です。
ベース(図1参照)に入った電流を何倍に増幅出来るかの比率をhFE(hybrid forward emitter)と言い今回使うのは直流ですので①の式で表されます。
直流電流増幅率(hFE)=コレクタ電流(Ic) ÷ ベース電流(IB)・・・①式
交流電流増幅率(hfe)=コレクタ電流(⊿ic) ÷ ベース電流(⊿ib)・・・②式
1.1 2SA1015トランジスタの種類
今回は一番電流増幅比が高い2SA1015GRを使用しました。
種類 | 電流増幅比(hFE) |
2SA1015 O | 70~140 |
2SA1015 Y | 120~240 |
2SA1015 GR | 200~400 |
1.2 NPN型とPNP型
NPN型トランジスタの代表的な物が2SC1815で、PNP型トランジスタの代表的な物が2SA1015です。イメージとしてNPN型はマイコン出力HighでトランジスタがONし(LowはOFF)、PNP型はマイコン出力LowでトランジスタがON(HighはOFF)します。
○電流制限抵抗の算出方法
V:Arduino出力がベースに与える電圧(Highを0Vと考えるのでLowは-5V)
VBE:ベースエミッタ間飽和電圧(-1.1V)
Ic:コレクタ電流(-0.15A)
hFE:直流電流増幅率(200)
と計算できましたが、実際にはコレクタ電流の定格-150mAを超えない様に余裕を見て、2倍程度の抵抗(10kΩ)にしておきました。
2. プログラム
プログラムの内容としては、1秒周期で13ピンがHIGHとLOWを繰り返します。
void setup() { //一回だけ実行する pinMode(13, OUTPUT); //LEDを接続した13番ピンを出力用に設定する } void loop() { //{}内を無限ループで実行する digitalWrite(13, HIGH); //LEDが接続された13番ピンをHIGH(5V)にする delay(1000); //1秒LEDを点灯した状態で止める digitalWrite(13, LOW); //LEDが接続された13番ピンをLOW(0V)にする delay(1000); //1秒LEDを消灯した状態で止める }
図1:プログラム例
3. つなげ方
3.1 回路図
図3:トランジスタを使ったLチカ回路図
3.2 実際に回路を組んでみた
図3を元に実際に接続した回路です。
図4:実際の回路
4. まとめ
トランジスタで一般的に良く使われるのは、マイコンHIGHでトランジスタがONになる分かり易いNPNトランジスタで、マイナスの電圧や電流が出てくるPNPトランジスタは嫌煙敬遠されがちですが、使ってみると意外と簡単で応用が効きそうです。
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