NOBのArduino日記!

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趣味は車・バイク・自転車・ラジコン・電子工作です。

NPNトランジスタアレイの使い方(STA412A)

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NPNトランジスタアレイ(STA412A)
 

 トイラジコンの修理に使うのは4chのPNP型トランジスタですが、4chのNPN型トランジスタも買ったのでついでに使ってみました

1.NPN・トランジスタ・アレイとは?

1.1 NPNとは?
 トランジスタにはNPN型とPNP型が有ります。
 NPN型トランジスタ代表的な物が2SC1815で、PNP型トランジスタの代表的な物が2SA1015です。
 イメージとしてNPN型はマイコン出力HighでトランジスタがONし(LowはOFF)、PNP型はマイコン出力LowでトランジスタがON(HighはOFF)します。

1.2 トランジスタとは?
 トランジスタは電流を増幅する部品です。
 ベース(図1のB)に入った電流を①式で表されるhFE(hybrid forward emitter)倍に増幅された電流がコレクタ(図1のC)からエミッタ(図1のE)間に流れます。

直流電流増幅率(hFE)=コレクタ電流(Ic) ÷ ベース電流(IB)・・・①式
交流電流増幅率(hfe)=コレクタ電流(⊿ic) ÷ ベース電流(⊿ib)・・・②式
 
図1:NPNトランジスタ模式図

1.3 アレイとは?
 アレイとは、配列(する)、整列(させる)、大群などの意味を持つ英単語です。
 同種のものが整然と並んでいる様を表す事から、図2端子図の様に「STA412A」は同じトランジスタが4つ並んでいる事からトランジスタアレイと呼ばれます。 

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図2:STA412A外観(左上)、寸法()、端子図(左下)
※SIP10Pin:SIP(Single Inline Package)パッケージの片側一列に足を10本出したもの

1.4 STA412Aの使い方
 図2端子図より、2,3ピンと4,5ピンと6,7ピンと8,9ピンはそれぞれ独立したトランジスタです。
 4つのトランジスタのGNDは共通なので1,10ピンをGNDに接続します。
 また+側に接続した負荷(今回はLED)の-側を3,5,7,9ピンに接続します。
 最後に2,4,6,8ピンにArduino等の制御信号を入力しますが、そのまま繋ぐとLEDはほぼ光らないので、図3の様に電流制限抵抗を入れる必要が有ります。
 電流制限抵抗の値は以下の式で求める事が出来ます。

○電流制限抵抗の算出方法
 図2中の電流制限抵抗を選択する際にはSTA412AとArduinoUNOの仕様書より、
V:Arduino出力がベースに与える電圧(Highで5V)
VBE:ベースエミッタ間飽和電圧(1V)※STA412AのSDSIC-VBE温度特性」より
Ic:コレクタ電流(3A)
hFE:直流電流増幅率(300)
 電流制限抵抗(Ω) = ( V - VBE ÷ ( Ic ÷ hFE ) = 400Ω

 と計算できましたが、取りあえず手持ちの1kΩにしておきました。

図3:電流制限抵抗の入れる場所
 

2. プログラム

 ArduinoUNOからSTA412Aを介してLEDを点滅するプログラムは下記の通りです。回路を接続する前にプログラムを書き込んでおきます。
 プログラムの内容としては、1秒周期で13番ピンがHIGH・LOWを繰り返します 

 

void setup() {            //一回だけ実行する
  pinMode(13, OUTPUT);    //LEDを接続した13番ピンを出力用に設定する
}
void loop() {             //{}内を無限ループで実行する
  digitalWrite(13, HIGH); //LEDが接続された13番ピンをHIGH(5V)にする
  delay(1000);            //1秒LEDを点灯した状態で止める
  digitalWrite(13, LOW);  //LEDが接続された13番ピンをLOW(0V)にする
  delay(1000);            //1秒LEDを消灯した状態で止める
}
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図1:プログラム例

  

3. 実験!

 ArduinoUNOの13デジタル出力ピンを1kΩの抵抗を介してSTA412Aの2,4,6,8ベースピンに接続し、LEDが点灯するか確認してみます
 ※STA412Aには図2端子図の通り、プルダウン抵抗が内蔵されておりません!実際にユニバーサル基板等にSTA412Aを取り付ける際には、誤作動を防ぐ為にプルダウン抵抗を取り付けた方が良いです。

3.1 回路図
  fritzingでSTA412Aを介してLED4個を光らせる回路を図4の通り作りました
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図4:STA412Aを使ったLチカ回路図

3.2 実際に回路を組んでみた
 図4を元に実際に接続した回路です。
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図6:実際の回路

3.3 Lチカ!
 図6回路でArduinoUNOに電源を供給すると、無事ブレッドボード上のLED3個が順番に点灯しました!
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図5:STA412AでLチカ!

4. まとめ

 このトランジスタアレイは大きい図体の割に中身は超シンプルで、残念ながらプルダウン抵抗も、ダーリントン接続もありません
 良いように言えば自由度が高い!です
 
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