NOBのArduino日記!

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趣味は車・バイク・自転車・ラジコン・電子工作です。

MOSFETの使い方(2SJ681)

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P-ch MOSFET(2SJ681)
 

 PNPトランジスタ(2SA1015)でArduino UNO等マイコンの微弱な電流0.75mA程度で最大150mAをON・OFF出来ます。

 これがP-ch MOSFET(2SJ681)になると電流0.1mA以下で最大5000mAをON・OFF出来るという高性能っぷりです!

 例えるなら100ccの原付ヤマハJOG(トランジスタ)と、ヤマハトヨタが作った4805ccの1LR-GUE型エンジンを搭載したレクサスLFA(MOSFET)位の差が有ります

 そんな高性能なMOSFET(1LR-GUE型エンジン?)を使ってLED(原付)を点滅(動か)してみたいと思います。
 

1.MOSFETとは?

 トランジスタ電流を増幅する作用が有りますが、MOSFET(読み:モス・エフイーティー、英訳:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor、日本訳:電界効果トランジスタ)は電圧によって流れる電流を制御出来ます。その事からMOSFETトランジスタより消費電力が少ない特徴が有り、特に大きな電流や電圧をArduinoUNOなどのマイコンから直接スイッチングする際に便利です

1.1 外観
 外観は三端子レギュレータと同じSIP(Single In-line Package)形状で、ピン間隔が2.3mmと2.54mmに若干足りませんが、図1左の端子両側を少し外側に広げればそのままユニバーサル基板ブレッドボードに挿せます。
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図1:製品外観及び寸法(2SJ681のSDSより引用) 単位:mm
 
1.2 N-ch型とP-ch型
 今回御紹介する2SJ681 MOSFET はPch型と言い、図1のゲート端子にArduinoUNOからHighの電圧を加えるとドレイン・ソース間の抵抗が増大し絶縁します。(Lowで通電)
 2SK4017 MOSFET と言うNch型もあり、これはゲート端子にHighの電圧を加えるとドレイン・ソース間の抵抗が減少し通電します。(Lowで絶縁)
 
1.3 Pch型MOSFETの接続方法
 Pch型MOSFETを使用する際の接続方法を図2に示します。

※図2中の電流制限抵抗の算出方法
 ArduinoUNO出力電圧(実測値5.095V)÷ArduinoUNO出力最大電流(0.02A)=電流制限抵抗(254.75Ωですが余裕を見て若干高めの入手可能な330Ω「反応早い」~1kΩ「反応遅い」の間で選択します。)

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図2:Pch型MOSFET(2SJ681)の接続方法

2. プログラム

 ArduinoUNOからMOSFETを介してLEDを点滅するプログラムは下記の通りです。回路を接続する前にプログラムを書きこんでおきます。
 プログラムの内容としては、1秒周期で13ピンがHIGHとLOWを繰り返します。
ArduinoUNOの13ピンには基板上にLED取り付けられており、13ピンの状態がHIGH(点灯)なのかLOW(消灯)なのかを目視で確認出来て便利です。
 Pch型MOSFETを介したLEDは上記と逆に、13ピンの状態がHIGHで消灯しLOWで点灯します。 
void setup() {            //一回だけ実行する
  pinMode(13, OUTPUT);    //LEDを接続した13番ピンを出力用に設定する
}
void loop() {             //{}内を無限ループで実行する
  digitalWrite(13, HIGH); //LEDが接続された13番ピンをHIGH(5V)にする
  delay(1000);            //1秒LEDを点灯した状態で止める
  digitalWrite(13, LOW);  //LEDが接続された13番ピンをLOW(0V)にする
  delay(1000);            //1秒LEDを消灯した状態で止める
}
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図1:プログラム例
 

3. MOSFETでLチカ

 Arduino UNOの3番ピン→330Ω抵抗→MOSFETのゲートの順に接続し、3番ピンをLowにすると、MOSFETのドレイン→ソース間抵抗が減少(600kΩから0.12Ω)し電流が流れます
 電流が流れるとLEDが点灯すると言う流れです。

3.1 回路図
  fritzingで作った回路図です。MOSFETを介してLEDを光らせます。
※以下プルアップ抵抗は省略しておりますが、仮にマイコンだけが故障若しくは電源供給が止まるなど出力がLowとなった場合、Pch型MOSFETは通電しっぱなしになり危険ですのでプルアップ抵抗は付けた方が良いです。
 
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図3:MOSFETを使ったLチカ回路図

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図4:実際の回路
 
3.3 Lチカ!
 図4回路でArduinoUNOに電源を供給すると、無事ブレッドボード上のLED(図5右下)が13ピンLED(図5左上)消灯時に点灯し、13ピンLED灯時に消灯しました!
 
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図5:MOSFETでLチカ!
 

4. まとめ

 MOSFETの構造はコンデンサに近い為、今回使用した2SJ681 MOSFETだと700pFとなかなかの容量があります。
コンデンサへ電流が流れ込む際の抵抗は非常に小さい為、ArduinoUNOどのデジタル出力先にコンデンサが有ると瞬間的にショートした様な状態になります。
 この様な回路ではArduinoUNOが壊れてしまう可能性があるので、電流制限抵抗もしくはトランジスタを使った方がマイコンに優しいです。
 
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