NOBのArduino日記!

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趣味は車・バイク・自転車・ラジコン・電子工作です。

MOSFETの使い方(2SK4017)

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N-ch MOSFET(2SK4017)
 

 Arduino UNO等のデジタル出力が常時出力出来る電流は20mA程度と少ないです。

 LED(15mA程度)を光らせるくらいなら出来ますが、それ以上の大電流・大電圧を必要とする動力源をコントロールするには力が足りません。そこで登場するのがトランジスタMOSFETです。
 定番のMOSFET(2SK4017)を使ってLEDを光らせてみたいと思います。
 

1.MOSFETとは?

 トランジスタ電流を増幅する作用が有りますが、MOSFET(読み:モス・エフイーティー、英訳:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor、日本訳:電界効果トランジスタ)は電圧によって流れる電流を制御出来ます。その事からMOSFETトランジスタより消費電力が少ない特徴が有り、特に大きな電流や電圧をArduinoなどのマイコンからスイッチングする際に利用されます

1.1 外観及び入力電圧と出力電流
 外観は三端子レギュレータと同じSIP(Single In-line Package)形状で、ピン間隔が2.3mmと2.54mmに若干足りませんが、図1左の様に若干端子を広げればそのままユニバーサル基板ブレッドボードに挿せます。
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図1-1:製品外観写真及び寸法       単位:mm
 
表1:2SK4017の仕様一覧
項目 内容
最大ドレイン・ソース間電圧(VDSS) 60V
最大ゲート・ソース間電圧(VGSS) ±20V
オン抵抗(RDS(ON))  標準0.09Ω 最大0.15Ω(@VGS=4V)
最大ドレイン電流(ID) 5A
最大ドレイン電力(PD) 20W
入力容量(Ciss) 標準730pF
出力容量(Coss) 標準60pF
帰還容量(Crss) 標準95pF
ターンオン時間(ton) 20ns
ターンオフ時間(toff) 35ns
形状 SIP
 
 
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図1-2:ゲート電圧とドレイン電流の関係(2SK4017のSDSより引用) 
 
1.2 N-ch型とP-ch型
 今回御紹介する2SK4017 MOSFETはエンハンスメントタイプ※1のNch型です。
 図1のゲート端子に正の電圧を加えるとドレイン・ソース間の抵抗が減少し通電します。十分な電圧(5V)を加えれば、リレーの様にスイッチON・OFFするのに使えます。
 トランジスタNPNとPNPの関係のように電圧のかけ方が逆になる2SJ681 MOSFETと言うエンハンスメントタイプ※2Pch型もあります
※1:エンハンスメント「VGSが正の領域でドレインに電流が流れる」
※2:デプレッション 「VGSが0の領域をまたいだ特性」
※「cin*aba*_ci*n*ba* 」さんのご指摘により上記記事を修正致しました、ご指摘ありがとうございます。
 
1.3 Nch型MOSFETの接続方法
 Nch型MOSFETを実際に使用する際の接続図を図2に示します。
※図2中の電流制限抵抗の算出方法
 Arduino UNO出力電圧(実測値5.095V)÷Arduino UNO出力最大電流(0.02A)=電流制限抵抗(254.75Ωですが余裕を見て若干高めの入手可能な330Ω「反応早い」~1kΩ「反応遅い」の間で選択します。)
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図2:Nch型MOSFET(2SK4017)の接続方法
 

2. 材料

 表1の2SK4017は性能も入手性も良く、しかもいのでよく使います。
MOSFETを使ってLEDを光らせる実験に、表2の部品を使用しました。
 
表2:購入品一覧
部品名 必要数
Arduino UNO 1個
2SK4017 1個
LED 砲弾型 φ3mm 白色 1個
330Ω、100Ω抵抗 各1個
ブレッドボード 1個
※その他 ArduinoIDEのインストールされたPCとUSBケーブル、ジャンプワイヤーが必要です。
 

3. MOSFETでLチカ

 Arduino UNOの3番ピン→330Ω抵抗→MOSFETのゲートの順に接続し、3番ピンをHighにすると、MOSFETのドレイン→ソース間抵抗が減少(600kΩから0.07Ω)し電流が流れます
 電流が流れるとLEDが点灯すると言う流れです。

3.1 回路図
  fritzingで作った回路図です。MOSFETを介してLEDを光らせます。
 
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図3:MOSFETを使ったLチカ回路図

3.2 プログラム
 下記プログラムを実際にArduino UNOに書き込み実行した結果が図4です。LEDが1秒周期で点滅します。
 
void setup() {            //一回だけ実行する
  pinMode(3, OUTPUT);     //LEDを接続した13番ピンを出力用に設定する
}
void loop() {             //{}内を無限ループで実行する
  digitalWrite(3, HIGH);  //LEDが接続された13番ピンをHIGH(5V)にする
  delay(1000);            //1秒LEDを点灯した状態で止める
  digitalWrite(3, LOW);   //LEDが接続された13番ピンをLOW(0V)にする
  delay(1000);            //1秒LEDを消灯した状態で止める
}
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図1:プログラム例

 

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図4:MOSFETでLチカ!
 

4. まとめ

 MOSFETの構造はコンデンサに近い為、今回使用した2SK4017 MOSFETだと730pFとなかなかの容量があります。
 コンデンサへ電流が流れ込む際の抵抗は非常に小さい為、Arduino UNOなどのデジタル出力先にコンデンサが有ると瞬間的にショートした様な状態になります。
 この様な回路ではArduino UNOが壊れてしまう可能性があるので、電流制限抵抗もしくはトランジスタを使う一手間が電子工作には大事です。
 ※今回ゲートに接続するプルダウン抵抗を省略しましたが基本的に動作安定化の為には有った方が良いです
 
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