NOBのArduino日記!

NOBのArduino日記!

趣味は車・バイク・自転車・ラジコン・電子工作です。

蓄電器のピンキリを比較!(電池~コンデンサ)

イメージ 1
蓄電器
 前回の記事で使った「電気二重層コンデンサ」はコンデンサーの中では桁違いに大きな電力を溜め込むことが出来ますが、普段使っている化学電池(マンガン電池、アルカリ電池、ニッケル水素電池など)も含めて見た場合どの程度の性能が有るのか気になりました(*_*;
 という事で
ピン(NAS電池:1080000Wh)~キリ(セラミックコンデンサ:0.0000000035Wh)
の蓄電器10種、25製品について比較してみました!

1. 蓄電器とは?

 蓄電器は電気を貯める事の出来る電気部品です。
 電気を貯めると言う目的は同じですが、同じ1つのセルであっても方式が違えば蓄電できる量には雲泥の差が有ります!
 
1.1 種類
 種類としては大きくコンデンサと電池の2つに分けられます。
コンデンサ:電子を直接貯める事が出来(充放電効率が良いが充電量が少ない)
○電池:電気を化学反応等で作り出す電池(充放電効率は悪いが充電量が多い)
 
1.2 選定
 私の独断と偏見で、コンデンサと電池を含めた表1に示す10種類の蓄電器を比較対象として選定しました。
 
表1:色々な蓄電器
 
蓄電器 補足
フィルムコンデンサ プラスチックフィルムを介した、2枚の電気伝導体間に電荷が蓄えられる。
セラミックコンデンサ セラミックを介した、2枚の電気伝導体間に電荷が蓄えられる。
アルミ電解コンデンサ 電極表面に化学処理することで絶縁体あるいは半導体の薄膜を形成し、これを誘電体としたもの。
電気二重層コンデンサ 電解液-電極界面において電解液中のイオン及び電極中の電荷担体(電子またはホール)が互いに引き合う格好で整列する現象(電気二重層)を用いて蓄電するコンデンサ
マンガン乾電池 一次電池の一種で、正極の減極剤(復極剤)として二酸化マンガンを用いたもの。
アルカリマンガン電池 一次電池の一種で、正極に二酸化マンガン黒鉛の粉末、負極に亜鉛、水酸化カリウムの電解液に塩化亜鉛などが用いられている。
ニッケル水素電池 二次電池の一種で、正極に水酸化ニッケルなどのニッケル酸化化合物、負極に水素または水素化合物を用い、電解液に濃水酸化カリウム水溶液 (KOH (aq)) などのアルカリ溶液を用いられている。
鉛電池 二次電池の一種で、正極(陽極板)に二酸化鉛、負極(陰極板)には海綿状の鉛、電解液として希硫酸を用いられている。
リチウムイオン電池 二次電池の一種で、正極にリチウム遷移金属複合酸化物、負極に炭素材料、電解質有機溶媒などの非水電解質を用いられている。
NAS電池 負極にナトリウムを、正極に硫黄を、電解質にβ-アルミナを利用した高温作動型二次電池である。

2. 仕様

 表1に示した10種類の蓄電器で、実際に市販されている25製品について仕様を調べてみた結果が表2です。
 各項目について良い値上位3つを緑色に、下位3つを赤色にしました。
 
表2:各種蓄電器の仕様一覧
イメージ 2
 
2.1 Li-ion電池
 表2の16番にLi-ion電池「18650」が有りますがこれは、パナソニック製Cell(φ18×65mm)+SEIKO製PCB回路を搭載したリチウムイオンバッテリーで、サイズ的には単3電池を一回り大きくした感じです。
 この電池は汎用性が高く、ノートパソコンから電気自動車まで搭載されています。
 因みにTesla社の電気自動車「モデルS」には、「18650」6,510本(85kWh)が使われています。
 乾電池を沢山積んで車が走るとは凄い時代になったものです。
○全長:4,978mm
○車両重量:1,735kg
○最高航続距離: 
60 モデルで約400km、75で約480km、
90Dで約557km、P100Dでは約613km。
○充電:440Vなら最短45分で充電可能。
○加速性能:P100Dは2.7秒で100キロまで加速する。
図1:テスラ・モデルS ※Wikipediaより引用


2.2 ギガファクトリー
 Tesla社とパナソニック社は共同で世界最大の工場(サイズはペンタゴンの3倍以上?)を作り2017年1月4日に稼動させたそうです。投資総額6,000億円!
 生産するものは「2170」と言うLi-ion電池セル(φ21×70mm)で、従来の「18650」より一回り大きなサイズです。
 「2170」はまずTesla社の「Powerwall2」(一台\696,000/14 kWh)や「Powerpack2」(増設可な数百kWhの電池ユニット)向けに供給し、2018年までに年間35GWh生産するそうです。※この工場一つで全世界が生産するLi-ion電池の総量に匹敵!
 大量生産とセルの大型化による生産効率の向上でkWh当りのコストを従来から30%以上削減が可能と言われています!
 いろんな意味でギガファクトリーですね!これら情報から想定される「2170」も比較一覧に入れておきました!

3. 比較!

 コンデンサの蓄電量を表す単位は「F」、電池の放電容量を表す単位は「mAh」と、単位が異なっておりますので電力量Whを計算する式は表3補足の通りです。
 また値段やサイズ・単体の出力電圧も異なっており単位変換して同列比較出来る様にした物が表3です。
 各蓄電器の比較項目は「電力量」・「1Whの値段」・「寿命当り1Whの値段」・「体積」・「体積1L当りの電力量」です。
 各項目について良い値上位3つを緑色に、下位3つを赤色にしました。


表3:各種蓄電器の性能比較結果一覧
イメージ 3

4. まとめ

 調査の結果、使用目的別に表4の蓄電器を選ぶと良さそうです!
 
表4:目的別お勧めの蓄電器!
項目 内容
兎に角大容量の電池が欲しい! NAS電池 >>> PB電池 > Li-ion電池
安くて大容量の電池が欲しい! PB電池 > アルカリ電池 > Li-ion電池
電池寿命迄使ったコストが安くて
大容量の電池が欲しい!
PB電池 > NAS電池 >> Li-ion電池
兎に角小さい電池が欲しい!? セラコン > フィルコン > ケミコン
小さくて大容量の電池が欲しい! Li-ion電池 >> Ni-MH電池 > アルカリ電池 
 

 やはりEDLC(電気二重層コンデンサー)の充電容量はまだまだ小さく、利点である急速充電カテゴリーが無かった為敢え無く圏外となってしまいました※EDLCの劇的な技術革新を願っております
 感覚的になんとなく分かってはいましたが、電源として各種蓄電器を見た場合、以下の通り選択すると良さそうです。
 
蓄電器の選択 結論!
コスト 小型大容量 急速充電
PB電池 Li-ion電池 EDLC
でした
 
イメージ 1 イメージ 3
励みになりますのでよければクリック下さい(^o^)/

↩【NOBのArduino日記!】目次に戻る