やり方は簡単、スイッチを素早く(出来れば1秒間に1万回位)ON・OFF繰り返すだけです!
しかし人力でスイッチをON・OFF繰り返すのは実質無理なので、安定した出力電圧を得る為にはもう少し複雑になります。
前回の記事で紹介しきれなかった、コイルが電流の増加を妨げた分のエネルギーを磁界に溜め込み、急に電流が止まると磁界に溜め込んだエネルギーを放出して、電流を維持する様に働くと言う性質を利用しています。(はじめて見た時は良く分からないので、車は急に止まれない?みたいな事と理解する様にしました。)
具体的な昇圧方法をiCircuitを使ってシュミレートしてみましたのでご紹介致します。(シュミレートは3MHzの分解能で行いました。)
※下記紹介例で自作される場合はオシロスコープなどで十分出力電圧を確認し、電子部品の耐電圧に十分余裕を持って設計される事をおすすめします。
失敗すると、25V,47μFのアルミ電解コンデンサにAC100Vを誤って接続した時の私の様に、眉毛ともみあげがチリチリになる以上の被害を被る可能性がありますので十分ご注意下さい。
市販品の各種昇圧型DCDCコンバータの方が小型・高性能・お手頃価格そして安全です。
追加回路
図1の回路構成だけで昇圧出来ない事は無いのですが、何かと不便なので、3つ程回路を追加します。
1つ目の追加回路は、上記で説明したスイッチをON・OFFする人の役割をLMC555と言うタイマーICに置き換えます。(電子工作では非常に汎用性の有る定番のICです。LMC555については後日詳細を説明をしたいと思います)
2つ目がスイッチの役割をするトランジスタで、NPN型(2SC1815GR)と言う種類を使います。標準的なトランジスタには端子が3本有り、1つはベースと言う端子で、電気を流すと2つ目のコレクタと言う端子(別電源+)から3つ目のエミッタと言う端子(GND接続-)に電流が流れます。電流が流れる量は、ベースに流れた電流にトランジスタのhFEと言う値を掛けた分流れます。(凡そ100倍くらい・・・足りない?可能性が有るのでダーリントントランジスタ[2SD2081]位必要か?パワーMOSFET[2SK2232]だと4V以上の制御電圧が必要な為、乾電池二本では無理っぽいです。)
3つ目は安定した電圧を得る為の回路で出力電圧から分圧したものを、もう一つのトランジスタ(2SC1815GR)ベースに接続し、出力電圧が高くなるとタイマーIC(LMC555)のControl端子がGNDに落ちる事で出力電圧を抑制します。
以上3つの回路を追加したものを図2以降に示します。
1-1. 乾電池1本を3.3Vに昇圧する
1-2. 乾電池1本を5Vに昇圧する
図4:1.2Vのニッケル水素充電池を5Vに昇圧