半固定抵抗の使い方(3386T-EY5-103TR)
半固定ボリューム(3386T-EY5-103TR)
1.半固定抵抗とは
「半固定抵抗」とは、一度調整した後は殆ど再調整せずに使用される抵抗の呼び名です。その性質上耐久性は低めとなっています。
反対に頻繁に抵抗の調整が行われる部品の事を「可変抵抗※1」と言い、金属部品が使われる等により耐久性は高めに作られています。
名称としては、両方含めて可変抵抗※1と呼ぶこともあります。
回路図上で使用する各種抵抗の記号は表1、図1に示す通りです。
項目 | 内容 |
抵抗 | ギザギザしてる記号(図1左) |
可変抵抗 | 抵抗の上に斜め矢印の記号(図1中) |
半固定抵抗 | 抵抗に垂直な矢印の記号(図1右) |
図1:抵抗の記号
※以下補足です
※1:可変抵抗(カヘンテイコウ、英:Variable resistance)
1.1 3386T-EY5-103TRとは
・つまみ付でポジションがわかり調整がしやすいです。
・2.54mmピッチの基板に取り付けやすい。
・ブレッドボードで使えます!
図2:半固定ボリューム(3386T-EY5-103TR)の寸法
※図1の1~3ピン間の抵抗が10kΩで、2ピンと1,3ピン間の抵抗がボリュームを回す事で約0~10kΩに変化します。
1.2 仕様
半固定ボリューム(3386T-EY5-103TR)の仕様は表2の通りです。
項目 | 内容 |
抵抗 | 10kΩ |
抵抗誤差 | ±10% |
耐電圧 | 600Vac |
有効動作範囲 | 300°±10% |
定格電力 | 0.5W(TJ=70℃) |
動作温度 | -55~125℃ |
動作寿命 | 200cycles |
※「3386T-EY5-103TR」のSDSより引用させて頂きました
2. 回路
この回路はオームの法則の分圧回路に等しく、この状態でボリュームを動かすと2ピンの電圧が0~5Vの範囲で変化させる事が出来ます。
この変化した2ピンの電圧をArduinoUNOのA0ピンで読み取り、読み取った電圧に応じてArduinoUNOのD3ピンから出力するPWMのデユーティー比を変化させ、定電流ダイオード(E-153)を介したLED(OS5OAA5111A)の明るさを連動させてみました!
2.2 プログラム
図4の回路で、半固定抵抗の動きに応じて0~5Vの範囲で変化する電圧をArduinoのA0ピンで0~1023の範囲で読み取り、その値に比例したPWMのD比0~100%(精度:0~255)をD3ピンから出力しLEDを点灯するプログラムです
参考に半固定抵抗を動かした時のA0ピンに加わったA/D変換値を図5に示します。
void setup() { //一回だけ実行 pinMode(3, OUTPUT); //D3を出力に設定 Serial.begin(9600); //9600bpsでシリアルポートを開く } void loop() { //{}内を無限ループで実行 int Val; //Valをint型の変数として宣言 Val = analogRead(0); //A0ポートの電圧を読む analogWrite(3, map(Val, 0, 1023, 0, 255)); //D3にA0の電圧に比例したD比PWM出力 Serial.println(Val); //Valの値をシリアル出力します delay(300); //1000ms(1秒)待ちます }
3. まとめ
この半固定ボリューム(3386T-EY5-103TR)はコンパクトな割にツマミがシッカリしており、ドライバーの様な工具が無くてもカンタンに抵抗値を変えられて便利です!
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