CPUやメモリーの中身を細かく見ていくと、主に4種類(図1-1)の回路を組み合わせて出来ています。前回の記事で3種(NOT,AND,OR)の基本論理回路を説明致しましたが、これは下記に示す4種(NOT,NAND,NOR,XOR)の実際に用いる回路を組み合わせる事で実現されています。
例:NANDの出力とNOTの入力を接続すると、NOTの出力はANDになる。
図2~5の、回路図の見方を図1-2に示します。
中段に書かれている色々省略された「回路記号」と、その「中身」を左に示しております。
流れとしては、下段に書かれている共通の「入力信号」が中段2つの論理回路に入り、それぞれの結果が「出力確認LED」へ出力されます。
黄色の点々は電流の流れで、緑が論理1(5VでON)、灰色が論理0(0VでOFF)を意味しています。
図1-2:回路図の見方
また、MOSFETについては図1-3に示した2種類を使っています。
n-MOSFETについては規定の電圧(5Vを想定)をゲート(図左)に加えると、ドレイン(図上)ソース(図下)間の抵抗が減少し電気が流れます。※0Vは絶縁
p-MOSFETについては規定の電圧(0Vを想定)をゲート(図左)に加えると、ドレイン(図上)ソース(図下)間の抵抗が減少し電気が流れます。※5Vは絶縁
図1-3:MOSFET回路記号
2. NOT回路
入力に0の論理を加えると1の論理が出力され、入力に1の論理を加えると0の論理が出力されます。
表1:真理値表(NOT)
入力(Vi) | 出力(Vo) |
0 | 1 |
1 | 0 |
中身と省略記号をシュミレートしたものを図2に示します。
中身も省略記号も同じ動きをしています。
図2-1:入力が0の論理の時、出力は1の論理
図2-2:入力が1の論理の時、出力は0の論理
3. NAND回路
入力を二つ、出力を一つ持つ論理回路です。
NOT回路と同じで、論理回路自体に電流の供給を受けています。
入力が共に0もしくは、どちらかが1で、もう一つが0の場合は1の論理が出力されます。
二つの入力が共に1となった時だけ、0の論理が出力されます。
つまりANDの逆でNANDと呼びます。
NANDの出力にNOTを付ければANDになります。
表2:真理値表(NAND)
入力(V0) | 入力(V1) | 出力(Vout) |
0 | 0 | 1 |
0 | 1 | 1 |
1 | 0 | 1 |
1 | 1 | 0 |
中身と省略記号をシュミレートしたものを図3に示します。
中身も省略記号も同じ動きをしています。
図3-1:入力が0,0の論理の時、出力は1の論理
図3-2:入力が0,1の論理の時、出力は1の論理
図3-3:入力が1,0の論理の時、出力は1の論理
図3-4:入力が1,1の論理の時、出力は0の論理
4. NOR回路
入力を二つ、出力を一つ持つ論理回路です。
NOT回路と同じで、論理回路自体に電流の供給を受けています。
入力が共に0の論理の時のみ、1の論理が出力されます。
二つの入力のどちらか一方でも、1の論理が入力されれば、0の論理が出力されます。
つまりORの逆でNORと呼びます。
NORの出力にNOTを付ければORになります。
表3:真理値表(NOR)
入力(V0) | 入力(V1) | 出力(Vout) |
0 | 0 | 1 |
0 | 1 | 0 |
1 | 0 | 0 |
1 | 1 | 0 |
中身と省略記号をシュミレートしたものを図4に示します。
中身も省略記号も同じ動きをしています。
図4-1:入力が0,0の論理の時、出力は1の論理
図4-2:入力が0,1の論理の時、出力は0の論理
図4-3:入力が1,0の論理の時、出力は0の論理
図4-4:入力が1,1の論理の時、出力は0の論理
5. XOR回路
排他的論理和(はいたてきろんりわ、英: exclusive or / exclusive disjunction)とは、ブール論理や古典論理などにおいて、与えられた2つの命題のいずれかただ1つのみが真であるときに真となる論理演算である。XOR、EOR、EX-OR(エクスオア、エックスオア、エクソア)などと略称される。なお、コンピュータ・プログラミングなど応用数学では、後述するビットごとの排他的論理和 (bitwise exclusive or) を、単に排他的論理和、EX-ORなどと呼ぶことがある。
※Wikipedia より引用させて頂きました。
はいたてきろんりわ?こんな難しい言葉久しぶりに聞きました。
入力を二つ、出力を一つ持つ論理回路で、入力のどちらか一方に論理1が加われば、出力の論理は1になるそうです。
回路構成はなかなか複雑でしたので、XOR回路内の一部をNOT回路二つに置き換えております。
表4:真理値表(XOR)
入力(V0) | 入力(V1) | 出力(Vout) |
0 | 0 | 0 |
0 | 1 | 1 |
1 | 0 | 1 |
1 | 1 | 0 |
中身と省略記号をシュミレートしたものを図5に示します。
中身も省略記号も同じ動きをしています。
図5-1:入力が0,0の論理の時、出力は0の論理
図5-2:入力が0,1の論理の時、出力は1の論理
図5-3:入力が1,0の論理の時、出力は1の論理
図5-4:入力が1,1の論理の時、出力は0の論理
5. まとめ
他にも、
※ディスプレイ関係に使えそうです。
○マルチプレクサ(入力切替スイッチの様なもの)や、デマルチプレクサ(出力切替スイッチの様なもの)と、この辺の回路になるとかなり実用的で応用範囲が広いです。
※ラジコンの制御を手動と自動に切替る際に使えそうです。
○カウンター(10進数など)でカウントする事も可能です。
※マイコンなし(省電力)で、センサーの反応を数える際に使えそうです。
○論理回路の利点は単純な処理に特化している為、メッチャ処理が早くて省電力。
なんか論理回路ってスゴイですね!
しかしよくよく考えると大方Arduinoのプログラミングで実現出来ます。
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