ドローン用モーターとプロペラ
前回の記事でドローン用モーター(100円/個)+プロペラ(30円/枚)から結構な風力が出てる事は分かりましたが、実際何gの物体を浮かせられるのかが気になります
と言う事で静止推力について計算してみました!
1. 静止推力とは
単位は「gf」で、質量(g)と重力加速度(f:9.8 m/s2)の積。
つまりプロペラが、本体も含めてどの位の重量(gf)を空中に静止させられる推力を持っているかの指標となります。
※Wikipedia に載ってなかった為私の勝手な解釈です、間違ってたらご指摘ください。
プロペラが発生する静止推力は、プロペラの直径の3乗に比例し、回転数の2乗に比例し、ピッチに比例します。
これを計算式で表すと式1の通りです。
静止推力(gf)=(D/10)^3 × (P/10) × (N/1000)^2 × k ・・・式1
式1に使用している変数(D,P,N,k)については以下1.1~1.4の通りです。
1.1 D:ダイヤ(inch)
ダイヤとは、プロペラの回転直径をインチ(1inch=25.4mm)で表したもの。
D = 46mm ≒ 1.8inch
1.2 P:有効ピッチ(inch)
有効ピッチとは、ねじのピッチと同じようにプロペラ1回転で進むことのできる理論的距離をインチで表したもので、式で表すと以下の通りです。(詳細は図5参照)
有効ピッチP = 2πr tanΦ・・・式2
π:円周率(3.14159…)
r:羽根角(β)は半径rの位置によって異なるので2/3Dまたは3/4Dの所の値を使用
r = 1.8inch × 2 ÷ 3 = 1.2inch
Φ:プロペラ回転面のなす角の事で前進角と言う。 ※詳細は図5参照
図5:プロペラ断面(半径r)のベクトル ※プロペラの基礎より引用
羽根角βから迎え角αを引く事でΦが求められます。
羽根角βは実測可能ですが、迎え角αは実機試験による測定(飛行速度Vから求める)が必要であり大変です(-_-;)
αの参考値と言う事で強引ですが、図6画像から角度を測った結果を表1に示します。
測定の結果、大体α≒5°でしたのでこの値で代用します
参考にPPR01-55のr=2/3D位置で実測した結果β=18.5°
前進角(Φ) | 羽根角(β) | 迎え角(α=β-Φ) | |
(a) | 6.5° | 12.5° | 6.0° |
(b) | 14.0° | 19.5° | 5.5° |
(c) | 19.5° | 26.0° | 6.5° |
(d) | 37.5° | 41.5° | 4.0° |
(e) | 19.5° | 23.5° | 4.0° |
図5より、羽根角β(実測11.0°)から迎え角α(5.0°で代用)を引いた値が前進角Φですので以下の通り計算できます。
Φ = β - α = 11.0° - 5.0° = 6.0°
最後に式2にπ、r、Φの値を代入してピッチPを計算した結果が以下の通りです。
P = 2 × 3.14… × 1.2inch × tan(6.0°) ≒ 0.8inch
1.3 N:回転数(rpm)
1.4 k:係数(無単位)
プロペラにはそれぞれ固有の係数が有ります。
通常ペラなら21~22、電動用のペラだと23~24との事。
k = 22?
で計算します
2. 静止推力の計算!
以上の結果より静止推力の計算(式1)に必要なパラメータが表2の通り揃いました
2.1 式1パラメータ
項目 | 内容 |
ダイヤ(D) | 1.8inch |
ピッチ(P) | 0.8inch |
回転数(N) | 25,000rpm |
係数(k) | 22 |
2.2 静止推力の計算(表1値)
静止推力の計算式(式1)に表1のパラメータを代入して計算した結果を下記に示します。
静止推力(gf)=(D/10)^3 × (P/10) × (N/1,000)^2 × k
=(1.8inch/10)^3 × (0.8inch/10) × (25,000/1,000)^2 × k
≒6.4gf
モーター+プロペラの重量が3g位なので差し引き3.4g位の物は浮かせられそうです…少ない・・・。悔しいので50,000rpmで計算すると25.7gf-3gf=22.7gfです。(´;ω;`)
3. まとめ
4モーターのマルチコプター化すれば3.4g×4=13.6g位の物は浮かせられるかもしれません実際の回転数はどうなんでしょう
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