NOBのArduino日記!

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趣味は車・バイク・自転車・ラジコン・電子工作です。

グライダーの作り方!(アオシマG級F6グライダー)(その1)

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図1:G級(F6グライダー)

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図2:設計図1枚で説明はとってもシンプル!
 
 先日、おじいちゃん(私の父)が息子(4才)レトロな模型飛行機をプレゼントしてくれました作れるのでしょうか?
 設計図に書かれた僅かなコメントを頼りに推測した作り方はこんな感じです。

 1.「竹ひごを曲げる」※方法は自由!(当然竹の曲げ方は自分で調べます)
 2.「木の切断・成形」※〃(取り敢えずカッターでなんとかします)
 3.「部品を糸で縛る」※〃(場所に応じた外れない縛り方を模索します)
 4.「接着剤で固定」 ※〃(何の接着剤を何処に塗ると効果的か考えます)
 5.「羽根のR面取り」 ※〃(何処を研磨すると翼用紙が破れないか想像します)
 6.「翼用紙を貼る」 ※〃(翼用紙の存在・用途・作り方は自力で察します)
 7.「重心取り」 ※〃(真直ぐ飛べばOK)

 要約すると「図面の形にどうにかして仕上げてね」と言う事ですアップル製品の様なシンプルな取説ですね!
 おじいちゃんに作ってとお願いすると「作るのが楽しいんだよ」との事。
 息子に渡すとビリビリに開封してフレーム(棒)を振り回して遊び始めました
 と言う事で、私がグライダーを作る事になりました!G級の意味は激ムズのGですね!

1.G級 F6グライダーとは

 貰ったグライダーのレトロ感が凄かったのでちょっと調べてみました!

1.1 製造日?
 パッケージに製造日は書いておらず、「G級グライダーF6」・「アオシマ文化教材」とだけ書かれています。
 NETで検索してみると現在販売はされておらず、その後も色々検索しましたが殆ど情報は出て来ません
  「㈲アオシマ文化教材」さんは※1に記載した通り現在アオシマ文化教材」に改組(カイソ)しており、有限会社であった期間は1961~1989年の間です。
 と言う事で29~57年前に製造された物の様ですとなりのトトロのカンタが作ってた物でしょうか
 
※1:アオシマ文化教材さんの沿革

1923年 青島次郎は飛行家として活躍
1926年 飛行家を廃業
1932年 飛行機への愛着を捨てきれず、動力付き模型飛行機を発売
1935年 「青島模型飛行機」を創業
1940年 から日本軍と文部省の主導で模型飛行機は教材として正式な教育課程に
    組み込まれ(模型航空教育)、一気に需要が拡大する。
1945年 「青島文化教材研究所」として再出発したもののGHQへの配慮から
1949年まで休眠会社状態となる。
1950年 模型飛行機の発売を開始
1961年 有限会社に改組
1989年 株式会社に改組し現在に至る

Wikipedia調べ
1.2 当時のお値段!
 今回作る「G級(F6グライダー)」の完成時の寸法は図面より「L600×W800×H140mm」とかなりの大柄サイズです。
 これだけのサイズでお値段はなんと500円!
 因みに1970年代から現在迄に物価は大体5倍に上がっているようなので「G級 F6グライダー」は現在の価格で言うと¥2,500相当でしょうか?
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図3:アオシマ製ライトプレーン・グライダーの値段!(当時の物価は1/5?)

2. 工作!

 完成する迄に何日掛かるのでしょうか
 息子に作ってと言われた以上形にはしたいです。
 
2.1 準備
 使いそうな道具を買いに息子と近くのホームセンターへ行ってきました。
 「ハサミ・カッター・油性マジック・ドライヤー・セロテープ・木工ボンド」は家に有ったので、他に使いそうな「瞬間接着剤・糸・スプレー」を購入。
 因みに「はんだごて・万力・金槌・スティックのり・金属定規・ラジオペンチ・ノギス」等も有ると便利です。
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図4:工作の準備
 
2.2 竹を曲げる原理
 そもそも何で竹が自由な形状に曲げられるのか気になったので調べてみました!間違ってたらご指摘下さい
 常温における竹は、主成分の「セルロース(ブドウ糖が長い鎖のように連なった分子の束)」を、「ヘミセルロース(セルロースとリグニンを結びつける)」と「リグニン(セルロースを補強して強さや柔軟性を与える)」が繋いで補強する事で硬さとしなやかさを持っています。
 表1より、ヘミセルロースとリグニンのガラス転移点※2は100℃前後と低く、竹を熱湯で煮る等の加熱状態にする事でこれら補強材の効果が低下し、補強を失ったセルロースの束が曲がります。
 竹を熱して曲げた状態で再び常温に戻すと、ヘミセルロースとリグニンはガラス転移点※2以下の温度となり、再びセルロースの束を補強し、曲がった状態を保持します。
※参考文献「竹の火入れ」を読んで推測したものです
 
表1:竹の成分と熱特性
 
竹の成分 乾燥状態のガラス転移点 湿潤状態のガラス転移点
セルロース(約50wt%) 231~253℃ 231~253℃
ヘミセルロース(約20wt%) 167~217℃ 54~142℃
リグニン(約20wt%) 134~235℃ 77~128℃
 
※2:ガラス転移点とは、低温では結晶なみに堅く流動性がなかった非晶質の固体が、ある狭い温度範囲で急速に剛性と粘度が低下し流動性が増す温度の事。


2.3 竹ひごを曲げる
 2.2より竹ひごを100℃位にすれば曲げられそうです!
 図4のドライヤーで熱した所何分掛かっても曲がりませんヒートガンが欲しい!
 こうなったら「半田ごて」で行くしかありません!図5の様に万力に半田ごてを固定し試してみたら図6の通りすんなり曲がりました!
 半田ごての温度は320℃でサクサク曲げ作業が出来ましたが、リグニンの分解温度は180℃程度との事で、あまり何度も(長時間)竹に半田ごてを当てているとポキッと折れます
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図5:半田ごてで竹ひごを熱して曲げます!
 
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図6:図面に合わせて主翼水平尾翼垂直尾翼・本体補強分の竹ひごも曲げます
 
2.4 木を削る
 フレーム用の木を図面に合わせて図7、8の様にカッターで削ります。
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図7:主翼前側フレーム加工後
 
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図8:主翼取付け部加工後
 
2.5 くぎ打ち
 メインフレームに接着剤を塗り、錘を合わせて付属のくぎを図9の位置に打ち込み図10の様に固定します。
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図9:接着位置の図面
 
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図10:メインフレームに錘接着完了!
 
2.6 穴あけ
 図11の様にメインフレーム垂直尾翼の竹ひごを挿す穴をΦ1.7mmのドリルで開けて図12の様に挿します。
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図11:メインフレームに穴あけ
 
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図12:垂直尾翼用の竹ひごを挿します
 
2.7 糸で縛る
 図13,14,15の様に「メインフレーム・アンダーフレーム・錘・補強材」間を、セロテープで仮固定後に糸(私はミシン糸使用)で縛り、仕上げに結び目に接着剤を付けて解けない様にしておきます。
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図13:アンダーフレーム⇔錘を縛って固定
 
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図14:隙間に木片を入れてからアンダーフレーム⇔メインフレームを縛って固定
 
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図15:メイン(アンダー)フレーム⇔補強材間を縛って固定

3.まとめ

 竹ひごの曲げって実に面白いですね!
 ダイソーさんで竹ひご(100円)を大量に買って来て数時間練習しました。
 先日3Dプリンター展を見た後ですが、竹ひごも捨てた物では無いですね!
 自由自在に曲げられて軽くて丈夫なので、実はドローンの筐体には竹の方が合っているかもしれません
 
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