TPS61291 超ローパワー昇圧コンバータ(2.5V/3V/3.3V)
最近のマイコンやセンサーは3.3V駆動が多く、消費電流も少ないので乾電池で動かしたい事が多いです。
出来ればコンパクトにしたいので単三や単四、またコイン電池一つから安定して3.3Vが取り出せれば、尚良いです!
そんなお困り事を解決してくれるのが昇圧型DCDCコンバーターです!
1. DCDCコンバータ
1.1 TPS61291とは
今回ご紹介する「TPS61291」はテキサス・インスツルメンツ製の超ローパワー昇圧型DCDCコンバータICです。
TPS61291は消費電力が小さく、静止電流が約10~20μAです。
バイパスモードでは内部回路が動作しなくて済むため消費電流は0.015μAと極めて小さくなりますので、コイン電池などで動作する機器の寿命を大きく伸ばすことが可能になります。
これら特徴から、CR2032,CR2025などコインリチウム電池,単3/単4電池といった電池で駆動するシステム、例えば無線端末(Bluetooth Low Energy, ZigBeeなど)、GPS機器、バイオロギング、スマートメーター、キーレスエントリーなどに最適です。今注目されているIoTにも応用できます。
1.2 仕様
TPS61291を使ったDCDCコンバータの仕様及び特徴は表1の通りです。
1.3 端子図
TPS61291の端子図及び出力電圧の設定は図1に示すの通りで、モジュール表裏の外観は図2の様になっております。
今回3.3V出力にする為、図1ジャンパ部左にはんだ付けし、またブレッドボード上で使用し易いように、事前にピンヘッダーをはんだ付けしておきました。
図1:TPS61291昇圧コンバータ端子図及び出力電圧の設定
※株式会社ストロベリー・リナックス様のサイトより引用させて頂きました
図2:TPS61291昇圧コンバータ外観(左:表、右:裏)
2. 回路
図1端子図を元にブレッドボード上に図3の通り配線しました。
乾電池は下側が+で下の赤いライン上に接続され、上側が-で上下の青いライン上にDCDCコンバータでバイパスして接続されています。
図3:ブレッドボードで昇圧回路
3. 確認!
図3の回路が正常に動作していれば、下の赤いラインに入力した1.2Vは、DCDCコンバータによって3.3Vに昇圧され上の赤いラインに出力されます。
テスターを使って入出力電圧を確認してみました。
3.1 入力電圧確認結果
下側の赤ラインの電圧は図4の通り「1.331V」でこれが乾電池の電圧です。
公称値1.2Vのニッケル水素二次電池ですが充電したてなので若干高めに出ています。
図4:乾電池からの入力電圧は「1.331V」でした
3.2 出力電圧確認結果
上側の赤ラインの電圧は図5の通り「3.346V」でした。
DCDCコンバータによる昇圧では公称値3.3Vより若干高めに電圧を出す傾向に有るようです。
図5:昇圧コンバータからの出力電圧は「3.346V」でした
4. まとめ
このDCDCコンバータは0.9Vと言うかなり低い電圧から3.3V(150mA)を作ってくれます。1.5V乾電池一本であれば3.3V(200mA)、また入力電圧を2.4~3.0Vにすれば3.3V(500mA)まで作ってくれます。
3.3Vマイコンを動かすには必要十分で調度良いです!
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