NOBのArduino日記!

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趣味は車・バイク・自転車・ラジコン・電子工作です。

ローパスフィルター(仕上げ!)

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 前回のローパスフィルターまとめ の記事より、オペアンプ正帰還型ローパスフィルター(以下OPampLPF)が反応速度・ノイズ低減効果共に最も良かったです。
 そのOPampLPFをいっぱいつなげることで、目標の0.891mV未満のリップル(ノイズ)に低減出来るフィルターの数をカットオフ周波数別にiCircuitシミュレートしてみました。

1. シミュレート条件

 受信機からサーボモーターへ出力されるPWM信号を想定して、表1の通りシミュレート条件を設定しました。
表1:シミュレート条件
項目 内容
周波数 66.7Hz
電    圧 2.8V
Duty比 10%
目標リップル電圧 0.891mv(未満になるまでフィルターを増やす)
目標反応速度 0.05sec(ここは多少妥協)
カットオフ周波数 12,25,50,100HzのLPFについて実施
 

2. カットオフ周波数12Hz

 カットオフ周波数12HzのOPampLPF(抵抗33kΩ、コンデンサ400nF)を繋げていき、リップルが0.891mVを切ったのは図1-1の通りフィルター3個目で0.362mVでした。
 PWM信号が入力してから目標の電圧が出力されるまでの反応速度は図1-2より、0.184secでした。

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図1-1:カットオフ周波数12HzのOPampLPF×3個
 
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図1-2:図1-1の1~3部における電圧変動
 

3. カットオフ周波数25Hz

 カットオフ周波数25HzのOPampLPF(抵抗33kΩ、コンデンサ200nF)を繋げていき、リップルが0.891mVを切ったのは図2-1の通りフィルター4個目で0.542mVでした。
 PWM信号が入力してから目標の電圧が出力されるまでの反応速度は図2-2より、0.108secでした。

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図2-1:カットオフ周波数25HzのOPampLPF×4個
 
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図2-2:図2-1の1~4部における電圧変動
 

4. カットオフ周波数50Hz

 カットオフ周波数50HzのOPampLPF(抵抗33kΩ、コンデンサ100nF)を繋げていき、リップルが0.891mVを切ったのは図3-1の通りフィルター8個目で0.558mVでした。
 PWM信号が入力してから目標の電圧が出力されるまでの反応速度は図3-2より、0.087secでした。
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図3-1:カットオフ周波数50HzのOPampLPF×8個
 
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図3-2:図3-1の1~8部における電圧変動
 

5. カットオフ周波数100Hz

 カットオフ周波数100HzのOPampLPF(抵抗33kΩ、コンデンサ50nF)を繋げていき、16個目で作図画面の限界に達してしまいました
 ここからは予想ですがフィルター2個でリップルがおよそ半減しているので、16個目のリップル1.48mVをフィルター2個追加して半減させる事で、おそらく0.74mV程度になり目標の0.891mVを切ると思われます。
 と言う事でカットオフ周波数100Hzのフィルターを使うと目標を達成するのに18個必要だと思われます。
 PWM信号が入力してから目標の電圧が出力されるまでの反応速度はおそらく、0.1sec程度であると思われます。
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図4-1:カットオフ周波数100HzのOPampLPF×16個

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図4-2:図4-1の一つ飛び2~16部における電圧変動
 

5. まとめ

 図1~4の測定結果をまとめたものを表2に、評価結果を表3に示します。
表2:測定結果
カットオフ周波(Hz) フィルタ(個) リップル(mV) 反応速度(sec)
12 3 0.362 0.184
25 4 0.542 0.108
50 8 0.558 0.087
100 18 0.74? 0.1?
 
表3:評価結果
カットオフ周波数(Hz) 評価結果
12 反応速度が遅いので却下
25 理想の反応速度には達しないがその他良好
50 反応速度はそこそこ良いが、フィルター8個は多い
100 フィルターを18個使うのは作るのが大変なので却下
 
 理想のローパスフィルターを探し求めてきましたが、ラジコンの受信機からArduino101にAnalogReadさせる妥協最適なローパスフィルターは、カットオフ周波数25HzのOPampLPFに決まりました
 
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